3回目に分けてご紹介してきた「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案要綱」の改正内容のまとめです。
「パワハラの法制化」を内容に含む改正法案です
女性活躍推進法の改正と言われると、直ちにそれほどは関係ないかなと思ってしまわれるかもしれませんが、すべての企業に関係する「パワハラ防止対策の法制化」をその内容に含む改正法です。
しかもその「パワハラ防止対策の法制化」は、労働施策総合推進法(正式名称:労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)というしぶめの法律に盛り込まれることとなり、さらに法案要綱を読んでいくと「パワーハラスメント」なんていう言葉は一言も出てこない(法律上の用語としては「職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題」)といった事情も重なって、とてもわかりにくい状態になっています。
なお「労働施策総合推進法」とは、昨年働き方改革関連法の中で、旧「雇用対策法」から法律名が変更になった法律です。
法律別の改正内容のまとめ
主な改正内容を法律別に整理すると、下表のとおりとなります。
法律名 | 改正内容 | 施行日 |
①女性活躍推進法 | 女性活躍推進のための行動計画の策定等義務企業の対象拡大(300人超→100人超) | 公布日から3年以内の政令で定める日 |
プラチナえるぼしの創設 | 公布日から1年以内の政令で定める日 | |
情報公表項目の改正 | ||
②労働施策総合推進法 | パワハラ防止措置の義務化 | 公布日から1年以内の政令で定める日(中小企業については、公布日から3年以内の政令で定める日) |
③男女雇用機会均等法 | セクシュアルハラスメント・マタニティハラスメントに関する相談を行ったこと等を理由とする不利益な取扱いの禁止など | 公布日から1年以内の政令で定める日 |
社外の関係者とのセクシュアルハラスメントに関する措置 | ||
④労働者派遣法 | パワハラ防止措置について、派遣先事業主も派遣労働者を雇用する事業主とみなす | 公布日から1年以内の政令で定める日 |
⑤育児・介護休業法 | 育児休業・介護休業等に関するハラスメントに関する相談を行ったこと等を理由とする不利益な取扱いの禁止など | 公布日から1年以内の政令で定める日 |
それぞれのより詳しい内容は、小欄下記記事をご参照ください。
①について 平成31(2019)年2月27日 「女性活躍推進法の改正法律案要綱が公表されました」
②について 平成31(2019)年2月22日 「「パワハラ防止対策の法制化」を内容に含む改正法律案要綱が公表されました」
③・⑤について 平成31(2019)年2月25日 「ハラスメント防止対策の強化を内容に含む改正法律案要綱が公表されました」
タグ: パワハラ法制化, プラチナえるぼし, 女活行動計画拡大
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