パワハラを法制化する方針が示された件

2018年11月21日 | から管理者 | ファイル: 労働施策総合推進法.
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長らく法整備をすべきか否かで労使の意見が分かれ議論が平行線をたどってきたとされてきたパワーハラスメントの法制化問題ですが、この度、平成30(2018)年11月19日に行われた第11回労働政策審議会雇用環境・均等分科会にて、下記のとおり取りまとめに向けた方向性が示されました。

職場のパワーハラスメントを防止するため、事業主に対して職場のパワーハラスメントを防止するための雇用管理上の措置を講じることを法律で義務付けるべきではないか。

これは、上記分科会の資料の中の

【資料3】女性の活躍の推進及びパワーハラスメント防止対策等の在り方について(取りまとめに向けた方向性)

の4ページの記載をそのまま引用したものです。

ニュースソース

11月19日に上記分科会が行われた後、一斉に「パワハラ法制化」のニュースが流れましたが、分科会が行われる前の先週末の時点から「パワハラ法制化」のニュースがちらほらと報道されいて、一体何が根拠となっているのかよくわからない状況でしたが、11月19日の分科会にて法制化の方針が示される予定であることがわかった、という内容だったわけですね。

ニュースや記事を何となく見たり読んだりしていると、まるで「パワハラ法制化」が決まったように勘違いしてしまう向きもあるように思われますが、きちんと見たり読んだりすれば「方針が示された」だけであることがわかります。
現時点では、上記引用のとおり「法律で義務付けるべきではないでしょうか。」という提案があっただけで、この提案について議論をするというのが本来の流れ、あり方なのでしょうが、それは言い回しの問題なのでしょう。
年明けの通常国会への改正法の提出を目指しているという報道もあるようですので、そうだとすれば、法制化を前提に具体的な内容の議論に入っていかなければならない時期にさしかかっているのではないかと思います。

根拠法は?

パワハラを法制化する方針であることはわかったけれど、いったい何法に規定するの?という疑問がわいてきます。
現時点では、分科会の資料にはその点は明記されていないようであるものの、一部では、労働安全衛生法の改正を検討しているといった報道もあるようです。労働安全衛生法の改正といえば、実は今年の通常国会で野党が提出し、否決された下記法案があります。

・参議院 「労働安全衛生法の一部を改正する法律案」

合わせて小欄の下記記事もご参照ください。

・平成30(2018)年5月8日 「パワハラを法制化すると…」

【この記事の改正データベース(法改部)はこちら

追伸【平成30年11月28日】

平成30年11月26日に行われる予定だった第12回分科会が急きょ中止になりました(厚生労働省の中止をお知らせする告知)。一体何があったのでしょうか。続報を待ちたいと思います。


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