消費税10%に伴う社会保障(社会保険)への影響について

2018年10月17日 | から管理者 | ファイル: 国民年金法.
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平成31(2019)年10月1日から消費税が10%に引き上げられることが、施行まで1年を切ったタイミングで改めて表明されました。
法律にはすでにそう書いてあるので、あらためて表明する必要はないのですが、過去2回引き上げが延期されていることもあり、今回は延期しないですよ、という意味合いが込められているのでしょう。

世間ではにわかに軽減税率の話題で盛り上がっていますが、小欄は税に関する情報の場ではないため他に譲るとして、社会保障(社会保険)への影響について確認しておきたいと思います。

消費税が10%に引き上げられることに伴い、その増税分を財源とした年金制度の改正が大きく二つありました。

年金の受給資格期間の短縮

年金の受給資格期間「25年」を「10年」を短縮する改正は、当初、消費税10%への引き上げ時に同時に行われる予定でしたが、ご承知のとおり、引き上げ延期に伴い、先行してすでに改正が行われています。平成29(2017)年8月1日の施行でした。

年金生活者支援給付金とは?

一方、いまだに消費税10%引き上げ待ち状態が続いているのが、年金生活者支援給付金制度です。

この制度は、所得額が一定以下の老齢基礎年金等の受給者に、月5,000円などの給付金を支給するというものです。国民年金法とは別に「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」という平成24(2012)年に新たにできた法律に基づく制度ですが、公布されてもいつまでたっても実質的に施行されないというめずらしい法律になっています。消費税10%と同時に施行される予定ですが、報道によれば、1~2ヶ月早く始まることが検討されているようです。

最近よく耳にする「全世代型社会保障」

さて、先般発足した安倍改造内閣は「全世代型社会保障」の実現を掲げ、「全世代型社会保障改革担当大臣」というポストも設けられて、経済再生担当の茂木大臣が兼務することとなりました。厚生労働大臣が兼務するわけではない、というところに様々な狙いがあるという趣旨の報道がなされています。

・首相官邸第4次安倍改造内閣閣僚等名簿 「経済再生担当、全世代型社会保障改革担当、内閣府特命担当大臣、(経済財政政策) 茂木 敏充 (もてぎ としみつ)」

社会保障制度とは、そもそも特定の世代に偏ったものではなく、あらゆる人々のさまざまなリスクに備えるセーフティネットであるため、あえて「社会保障」という言葉に「全世代型」という言葉をつけること自体が不思議な感じがするのですが、これまで日本の社会保障制度は高齢者向け中心であったという反省そして今後の政策の転換の意味が込められているということなのでしょう。

働き方改革は、働き方改革法としてその一部が公布され、施行準備が漸次進められているところですが、同時に、さらなる働き方改革の推進と社会保障制度の改革とを一体的に進めていく方向で諸々動き出していきそうな状況のようです。


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