改正労働基準法の経過措置②

2018年4月23日 | から管理者 | ファイル: 働き方改革関連法, 労働基準法.
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年次有給休暇の時季指定義務

今般の一連の「働き方改革関連法案」をめぐる報道においてはあまり取り上げられていませんでしたが『有給休暇のうち年5日については、時季を指定して付与しなければならなくなる』という改正があります。「年次有給休暇の時季指定義務」「有休の取得義務化」などと称されている改正項目です。

この改正項目の施行日は、企業規模にかかわらず平成31(2019)年4月1日となっていますが、有給休暇の付与のタイミングは、企業によってまたは各個人によって異なりますので、施行日が平成31年4月1日ですよと一言で言われても実際の実務をどうすればいいのかよくわかりません。

入社日ベースの付与方式の場合の経過措置

そこで改正法案附則の第4条に経過措置が定められています。
わかりやすく整理すると「4月1日以外の日が付与日である労働者にかかる有給休暇については、平成31年4月1日以降の最初の付与日の前日までの間は、なお従前の例による。」とされています。
すなわちたとえば、5月1日付与の方については平成31年5月1日付与分から新法を適用すればよく、付与年度の途中で平成31年4月1日を迎えることとなりますが、そこであわてて時季指定をしなくてもいいですよということですね。

一斉付与方式の場合の経過措置

企業によっては、各個人の入社日にかかわらず毎年4月1日や1月1日などに一斉に付与をする方式をとられている場合もあります。
この場合の取扱いについても丁寧に経過措置として説明がなされており、その企業ごとに就業規則に定められた付与日を基準に上記「入社日ベースの付与方式の場合」と同様に考えることとなります。
たとえば、毎年1月1日付で一斉付与をしている企業については平成32(2020)年1月1日付与分から新法を適用すればよいというわけです。

4月1日付与の場合は、いずれの場合も言うまでもなく平成31年4月1日付与分から対象となります。まだ今年度の付与が終わったばかりではありますが、実務に影響があり、企業によってはシステム改修が必要になるところですので、早く決められるものであるならば決めていただきたい改正項目です。

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