「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」(令和2年2月21日時点版)

2020年2月25日 | から管理者 | ファイル: 労働基準法, 労働安全衛生法.
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「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」の情報が随時更新されています。

・厚生労働省 「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」

更新の際に更新前と比べてどこに改正が入ったかがよくわからないため、改正の内容をお伝えさせていただいております。
今回は、令和2年2月20日時点版との相違点ついてです。

質問項目の増減や統廃合など

4つのカテゴリーが設けられ、各質問に見出しがつきました。何となく似たような質問が並んでいましたので、見出しを見ることにより、どのQ&Aを読めばいいのかがわかるようになりました。
質問項目は9→12へと3つ増えました。廃止された項目はありません。
令和2年2月20日時点版との対応関係を整理すると下表のとおりとなります。

2月20日時点版 2月21日時点版
1 基本的事項 問1(新)
問1 問2
問9 2 感染防止に向けた柔軟な働き方 問1
問2(新)
問3 3 労働者を休ませる場合の措置について 問1
問4 問2
問5 問3
問6 問4
問5(新)
問7 問6
問8 4 その他 問1
問2 問2

問いと答の内容について

既存のQ&Aの中では、3-問1「新型コロナウイルスに関連して労働者を休業させる場合、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。」の回答に下記表現が加わりました。

労働基準法第26条では、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています。
※不可抗力による休業の場合は、使用者の責に帰すべき事由に当たらず、使用者に休業手当の支払義務はありません。ここでいう不可抗力とは、①その原因が事業の外部より発生した事故であること、②事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であることの2つの要件を満たすものでなければならないと解されています。

旧版では、例示だけがなされていましたが、休業手当の支払義務がないとされる「不可抗力」に該当する場合の要件が書き加えられました。
この他の既存のQ&Aの内容に変更はありません。

また、新たに加えられたものの中では、3-問5「 新型コロナウイルス感染症によって、事業の休止などを余儀なくされ、やむを得ず休業とする場合等にどのようなことに心がければよいのでしょうか。」という項目が加えられました。
この項目は、一見、上記で取り上げた「3-問1」に類似しているように見えます。結局のところ「不可抗力」に該当するか否かは個別事案の諸事情を総合的に勘案するしかない、という結論において同じためです。
しかし、「3-問1」はどちらかという労働者個人ごとの事情(例えば家族に感染が疑われる方がいる場合など)による場合、「3-問5」は企業全体の経済や経営状況などの事情による場合と、想定している前提条件が異なるということなのでしょう。

また同日付にて、厚生労働省は、下記のとおり経済団体について要請を行うことをプレスリースしました。

・厚生労働省 「職場における新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた取り組みについて

要請内容のポイントは下記のとおりです。
・労働者が発熱などの風邪の症状が見られる際に、休みやすい環境の整備
・労働者が安心して休むことができるよう収入に配慮した病気休暇制度の整備
・感染リスクを減らす観点からテレワークや時差通勤の積極的な活用の促進

 

引き続き、更新がありましたら対応してまいります。


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