健康増進法の一部を改正する法律が公布されました

2018年7月27日 | から管理者 | ファイル: 健康増進法, 労働安全衛生法.
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受動喫煙対策を強化する内容を柱とした健康増進法の一部を改正する法律が平成30(2018)年7月25日付の官報にて公布されました。

・平成30年7月25日付官報(号外163号) 「健康増進法の一部を改正する法律」

「受動喫煙対策法」という法律はない

報道などでは「受動喫煙対策法」などと表記されていることもあるようですが、これは内容をわかりやすく伝えるためであって、「受動喫煙対策法」という法律はなく、「健康増進法」という法律の一部を改正するという方法をもって、受動喫煙対策が強化されることとなります。
一方で、東京都の条例が国より厳しい内容で規定されたことで対比されて報道されていますが、東京都の条例の名称は「東京都受動喫煙防止条例」という名称となっています。

やや複雑な施行日

健康増進法一部改正法の施行日は、下表のとおりです。

平成30年7月25日 (技術的な改正事項)
平成30年7月25日から6か月以内の政令で定める日 国及び地方公共団体等の責務
平成30年7月25日から1年6か月以内の政令で定める日 学校・病院・児童福祉施設等、行政機関について義務化
平成32(2020)年4月1日 全面施行

民間企業にとっては、④を意識すればよく、私立学校や私立病院等にとっては③の段階で施行を迎えることとなります。なお③は、平成31年9月から行われるラグビーワールドカップの前の施行が予定されているようです。

飲食店以外に目を向けます

内容についてですが、いわゆる小規模な飲食店についての経過措置は他の報道等で大きく取り上げられていますのでそちらに譲るとして、ここではそれ以外のところを取り上げさせていただきます。

第一種施設等 敷地内禁煙(屋外に喫煙場所の設置可) ・学校、病院、児童福祉施設等
・行政機関
第二種施設等 原則屋内禁煙(喫煙専用室の設置可) ・事務所
・ホテル 等

一般企業の事務所は比較的わかりやすく、第二種施設と位置付けられ、原則屋内禁煙であるものの喫煙専用室の設置は可能です。
東京都条例は、第一種施設の「学校」のうち、「小学校、中学校、高等学校、保育所、幼稚園」については努力義務ではありますが、屋外に喫煙場所の設置不可としているところが国の法律と異なるところです。

・東京都 「東京都受動喫煙防止条例」

受動喫煙対策の内容を明示する義務!?

なお、一般企業にとって気になるのは従業員に対する受動喫煙対策についてですが、これまで労働安全衛生法に基づいて行われてきたところ、健康増進法及び関係省令に基づいて措置を講じていくこととなります。
厚生労働省の「受動喫煙対策」を見ますと「従業員に対する受動喫煙対策について」という項目の中にいくつかの措置が掲げられていますが、その中でも注目すべきは下記の記載です。

従業員の募集を行う者に対しては、どのような受動喫煙対策を講じているかについて、募集や求人申込みの際に明示する義務を課すこととする。(今回の法律とは別に関係省令等により措置)

現時点でどこまで詳細な内容が規定されるか不明ですが、また一つやるべきことが増えそうな様相です。


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