「副業解禁」を整理する

2018年2月17日 | から管理者 | ファイル: 副業・兼業.
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厚生労働省のWEBサイトに「副業・兼業」と題するページが平成30(2018)年1月末に出現しました。

こちらには大きく分けて、新たに制定された「副業・兼業の促進に関するガイドライン」とこの度改定された「モデル就業規則」の二つが掲げられており、ガイドラインとモデル就業規則のうち副業・兼業に関する部分の改正についての解説と位置付けられる『「副業・兼業の促進に関するガイドライン」パンフレット』とガイドラインのQ&Aである『「副業・兼業の促進に関するガイドライン」Q&A』も合わせて掲げられるという至れり尽くせりの構成となっています。

さて、これを受けたWEBの記事などを読みますと、「副業解禁」といった見出しや表現が躍っていることが多いような印象を受けます。
それらがただちに間違いというわけではないのですが、ここはいったん冷静に事象をみつめ直してみますと、実は特段大きくは何も変わっていない、というふうに受け止めることもできるようです。
副業・兼業自体への法的な規制はそもそも存在しないということに、何ら変わりはないためです。ある企業が副業を解禁しようがしまいが自由である、という状況にも変わりはないのです。

モデル就業規則の副業・兼業に関する規定も「原則禁止・許可制」から「原則自由・届出制」となったものの、厚生労働省自ら「あくまでも一例であって、各企業はこの規定例どおりにしなければならない性質のものではない」と解説しているところです。

とはいえ、これらの動きが出る前から、先進的な企業の一部ではここ数年、副業・兼業を認める動きが散見され、報道され話題となっていましたし、厚生労働省が改めて副業・兼業の普及促進を図る旨を表明したことから、追随していく企業も徐々に増えていくことになるのではないかと思われます。

以上から「副業解禁」というよりは「副業促進」という表現がより現実に近いかなという気がしますが、「副業解禁」と謳ってしまった方がわかりやすいという側面があるのかもしれません。

【この記事の改正データベース(法改部)はこちら


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