緊急事態宣言の解除が模索される中、雇用調整助成金の緊急事態宣言等対応特例の動きについては、小欄でも厚生労働省から公表される前広な情報を随時お伝えしてきましたが、改正省令がこの度公布されました。
・令和3(2021)年2月22日付官報 雇用保険法施行規則の一部を改正する省令
同時に厚生労働省から、雇用調整助成金ガイドブックが更新されるなど、Webサイトの各種情報が更新されています。
・厚生労働省 雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)
これらの特例を理解するポイントは、緊急事態宣言等対応特例に該当するかによって、4つのグループに分けられたというところです。
4グループのどれに該当するか?
ここで文章で説明しようとすると冗長になってしまいますので、下記のパンフレットをご覧いただいた方が早いでしょう。
・厚生労働省 緊急事態宣言等対応特例について
このパンフレット群の1枚目(1ページ目ではなく表紙となる部分)にⅠ~Ⅳまでの区分が示されています。
一見複雑なように見えるかもしれませんが、例えば中小企業であれば、Ⅰ-Cに該当しますので、それ以外の部分を読む必要はあまりありません。
今回の「緊急事態宣言等対応特例」は一定の大企業の助成率を中小企業並みに引き上げるということで、
一つ目は、とくに業況が厳しい大企業(業況特例。Ⅰ-A)
二つ目は、緊急事態宣言の対象となった都府県の要請に協力する大企業(地域特例。地域によってI-B、Ⅱ、Ⅲにわかれる)
が対象となっているということがわかります。
申請様式は8パターン+1に
ここまではそれほどでもないのですが、実際に申請を行う際の様式については話がさらに複雑となり、8パターン+1になることが下記ページに示されています。
・厚生労働省 雇用調整助成金の様式ダウンロード(新型コロナウイルス感染症対策特例措置用)
ご紹介した4グループの区分が示された後、細かな要件に該当するか否かを矢印で辿っていくと、8つのパターンが示されています。
そのうえで、緊急事態宣言等対応特例に該当するにもかかわらず、すでに支給決定を受けた場合の追加申請の様式が9番目として掲げられました。
雇用維持要件の緩和
中小企業の様式がわかれているのはなぜ?とお感じになった方もいらっしゃるかもしれません。
もう一度、パンフレット「緊急事態宣言等対応特例について」をご覧ください。3ページ目(4枚目)に「雇用維持要件が緩和されます」というページがあります。
この要件の緩和については、中小企業も対象となるため、様式が別に用意されています。「令和2年1月24日以降解雇等を行っていない」という要件が「令和3年1月8日以降解雇等を行っていない」などと緩和されため、この部分の確認が必要になるということです。
地域特例の終了日
地域特例の対象となる期間は、各都府県における緊急事態宣言の期間の翌月末までとされています。
したがいまして、予定どおり3月7日までで解除されれば対象期間は4月30日までになるのですが、首都圏以外は2月末までの解除が検討されています。この場合、これらの府県の地域特例については3月31日までとなりますので注意が必要です。
コメントは締め切りました。