長らく「現在準備中です。」となっていました「改正労働基準法に関するQ&A」がとうとう公開されました。
・厚生労働省労働基準局 改正労働基準法に関するQ&A
待ちに待った感じもしますが、その内容を見ますと、全体的にあまり目新しい内容は見受けられません。と言いますのも、全体の半分程度が平成30(2018)年12月に出た解釈通達と同内容のものが半分程度を占めているためです。
・働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律による改正後の労働基準法関係の解釈について
解釈通達と同内容のものと新しい内容のもののカテゴリーごとの数を整理すると下表のとおりとなります。
計 | 解釈通達 | 新 | |
1 フレックスタイム関係 | 11 | 4 | 7 |
2 時間外労働の上限規制関係 | 40 | 19 | 21 |
3 年次有給休暇関係 | 34 | 14 | 20 |
4 労働条件の明示の方法関係 | 7 | 4 | 3 |
5 過半数代表者関係 | 1 | 1 | 0 |
6 その他 | 1 | 0 | 1 |
計 | 94 | 42 | 52 |
新しいものについても52と数はありますが、既出の内容も多く、すでにパンフレットやリーフレット類をご参照済みの方にとっては物足りないものになっているかもしれません。
所定超えから法定超えへの換算式問題
その中で一つだけ取り上げさせていただくのは、2-33です(28ページ)。
所定労働時間が8時間未満の企業が36協定を協定するとき、法的には法定労働時間を超える時間を記載するのが正しいですが、所定労働時間を超える時間を協定することも現在は容認されています。
その際、法定労働時間を基準とした労働時間に換算する換算式というものが(今のところは)あるのですが、これが法改正後に一体どういう取扱いになるのか、ということが一部で話題になっていました。
なぜなら、改正後の36協定は様式が改正され、必ず法定労働時間を基準とした労働時間について協定し、届け出る必要が出てきたためです(新様式では「所定労働時間を超える時間数」はあくまでも任意の記載項目)。
そこで、従来の概算式は使用できなくなるのではないかと想像されましたが、やはり、
従来の概算式を使用することはできなくなります。
との明快な方針が示されました。
その趣旨などを確認されたい方は、当該QAの回答をご覧ください。
【この記事の改正データベース(法改部)はこちら】
タグ: 上限規制
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