働き方改革関連法案の付属資料である新旧対照表に、脱字(1文字)があったことがニュースになっているようです。
誤りの内容
脱字があったのは、健康保険法の改正の新旧対照条文で整理すると下表のとおりとなります。
誤 | 正 | |
83ページ「改正案」の項目
15行目から16行目 |
そ一月間 | その一月間 |
ご興味のある方は、実際の部分をこちらでご確認ください。
法案の審議入りを目前にして、野党からは「重要法案で許されるミスではない」などと批判する声があがったもようで、厚生労働省は、与野党の関係者に謝罪したとのことのようです。
誤った部分を改めて検証してみますと、
・法律案案文そのものではなく、付属資料である新旧対照表である
・改正が行われる部分ではなく、その前後の改正が行われない部分である
・「の」の字が抜けているだけで、実質的に誤読や解釈を誤るような部分とは言えない
といったことが確認できますが、もちろん誤りはあってはならないことという大前提は踏まえたうえで、誤りのなかではそれほど重大、深刻な誤りではないということがわかります。
官報の最終ページにときどき出現する正誤表
実は、法令を正式に公布する刊行物である「官報」にも誤りが少なからずあり、毎日とまでは言わないまでもそこそこ頻繁に「正誤表」というものが最後のページに掲げられます。
ちなみに今日の官報はどうなっているだろうと拝見してみましたら、やはりありましたのでご興味のある方はご確認ください。
・平成30(2018)年4月26日付 官報 (32ページ)
※リンクはじきに切れますので何卒ご了承ください。
今日の正誤は若干派手な内容となっており、詳細はわかりませんが金額の正誤があるようで、たまたまではありますが実質的に影響のありそうな正誤となってしまっています。
このように、正式に公布された法令についての誤りに比べると、今回の働き方改革関連法案の誤りはそれほどでもないということがわかるのですが、このようなことがニュースになること自体が今の国会の状況を象徴しているのでしょう。
健康保険法の改正内容
なお、働き方改革関連法案の附則第13条(健康保険法の一部改正)の改正内容は、これまで短時間労働者等の定義についてパート労働法を引用して定義していたところ、引用をやめるというだけの技術的な改正のようですので、「実質的な内容は改正されない改正」です。
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