トイレの設置基準などについての改正②

パブリックコメントに1,500件以上の意見が寄せられた経緯については、下記記事が詳しいのでこちらをご参照ください。

・弁護士ドットコムニュース　「小さな職場は男女共用トイレもOK」省令改正に反発、パブコメ1500件　現場で続けてきた我慢

厚生労働省は当初、9月の施行を予定していましたが（下記資料6ページ）、

・第139回労働政策審議会安全衛生分科会　資料３－２　事務所衛生基準規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令案概要

大半が反対意見を占めるパブコメの影響で、令和3（2021）年7月28日の第139回分科会では了承されず、継続して検討が行われることとなりました。

その後10月11日に行われた第140回分科会では、パブリックコメントの状況についてまとめた資料とこれを受けて改正の周知を徹底する方針が示されました。

・第140回労働政策審議会安全衛生分科会　資料１－３　事務所衛生基準規則及び労働安全衛生規則の一部改正に係る周知内容等について

また、同時に示された省令案概要は、改正内容そのものには変更はなく、

・第140回労働政策審議会安全衛生分科会　資料１－２　事務所衛生基準規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令案概要

6ページの施行日が9月から12月に後ろ倒しになりました。

トイレは男女別が原則であり、例外規定を設けた改正の趣旨を広く周知するということで、改正案は了承され、12月上旬に改正省令が公布、施行される見込みです。

照度についての改正

改正省令案は、トイレ設備以外にも作業環境や休養の措置についての改正や運用面での手当が行われていますが、その中で「照度」を取り上げます。
事務所則第10条は、室の作業面の照度を下表左の基準に適合させなければならないと定めていますが、下表右のように改正されます。

改正前		改正後
作業の区分	基準	作業の区分	基準
精密な作業	300ルクス以上	一般的な事務作業	300ルクス以上
普通の作業	150ルクス以上
粗な作業	70ルクス以上	付随的な事務作業	150ルクス以上

照度というと専門的な機器がないと測れないと思われるかもしれませんが、無料でスマホにダウンロードできる照度計アプリも出ています。
専門機器のような精度を求めることはできないようですが、在宅勤務時の照度も含め、一度手元の明るさを測ってみてはいかがでしょうか。

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