令和3(2021)年度を迎えました。
法改部ログは、法改正に関するニュース・解説のブログですが、関連サイトである法改正のデータベースサイト・法改部との両輪で運営しています。
閲覧数を確認すると、過去は圧倒的に法改部ログの方が多かったのですが、ここ数ヶ月逆転現象が生じて、法改部が上回ることとなりました。
フローとストック
法改正を伝えるブログなどのサイトは他にも多数ありますが、情報としてはあくまでもいわば「フロー」であり、最新の情報を伝えるという速報性といった意味では意義はありますが、例えば「あの改正はいつの施行で、どこに公式情報があるのだっけ?」といったように過去に遡って調べる際などは向いていない傾向があります。googleなどの検索サイトも、真偽の不確かな膨大な情報が上位に検索され、求めている公式情報などは一向に出てこないという不便さは解消できないようです。
そのような課題を解決しようと試みたのがデータベースサイトである法改部です。いわば「ストック」ではあるものの、サイトには情報そのものをため込むことはせず、公式情報サイトへのリンクを張ることにより誘導する一方で、改正の「施行日」に着目し、「施行日順に並べる」という切り口で整理するというシンプルなことを行っています。
消えることのないうたかた
かつて鴨長明は『方丈記』において、人も住処も、よどみに浮かぶうたかたのごとしだと言いました。世の中の変化の激しさに伴い、膨大に積み重なり埋もれていく法改正情報もまた「よどみに浮かぶうたかた」のようですが、水面に浮かぶ泡のように消えてしまうものではなく、履歴として確実に残さなければならないものです。
そうであるならば、その情報のとらえ方は「フロー」ではなく「ストック」であるべきで、アーカイブとして、施行日を軸にソートをかけ可視化する、というコンセプトを具現化したのが法改部ということになります。
ロジカルの世界にアートを取り入れる試み
法改部の法律別のアイコンは、長らくフルーツの画像を採用していましたが、令和3年2月からアート作品に変わりました。
法律の世界は一見、ロジカル思考のみで成り立っていて、最近もてはやされているアート思考とは対極にあるような印象があるかもしれません。しかし、世の中の変化が大きく頻繁になるにつれ、法律は世の中の動きに追いつけなくなり、想定外のことを描くことができない法律の解釈や運用を行う場面において、ロジカル思考のみでは対処できないことが多くなってきています。
そんな状況を背景に、一見対極にある法律とアートの世界を一つのWebサイトの画面に配置するという試みを行ってみました。
法改正情報の把握という実用面もさるところながら、すれ違わないはずのものたちがすれ違う場として、思考をめぐらせていただければと思います。
アート作品について
作品は、アート作品の企画制作からアートのトータルプロデュースやコーディネートなどを幅広く手掛けるアーティスト集団「株式会社エーアンドエム」よりご提供いただいております。
「アートをもっとを身近に」と考える株式会社エーアンドエムと、「法律をもっと身近に」と考える社会保険労務士法人法改正研究所とが、法改正研究所が運営するオウンドメディアにてコラボしました。
アート作品は購入もできるもので、作品のアイコンをクリックいただくと、株式会社エーアンドエムが運営するオンラインショップの作品ごとのページにリンクしています。法律名をクリックすると法律名ごとの改正情報を一覧できますが、その下の画像をクリックするとアート作品の詳細ページにとぶという微妙な違いをお楽しみいただけると幸いです。
今後について
閲覧数の動向の変化もあり、運営としては、より法改部の情報更新に力点を置く傾向が強くなっています。
今後は、最新の法改正情報の更新やその内容についての簡単なコメントについては法改部で行い、重要な速報性のある情報や、誤解が多い情報についての修正情報、他に取り上げられることの少ない情報などについては法改部ログで取り上げるという役割分担で行っていきたいと思います。
このところ、メールマガジンの登録も想定以上に増えているところですが、プッシュ型の情報提供の効果的・効率的なあり方についてもあわせて模索してまいります。
引き続きご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。
コメントは締め切りました。