雇用調整助成金の新たな特例措置とその延長など

2021年1月23日 | から管理者 | ファイル: 雇用保険法.
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令和3(2021)年1月22日付にて厚生労働省より下記情報がリリースされました。

・厚生労働省 「雇用調整助成金の特例措置等の延長等について」

それほど多くのことが書かれているわけではないのですが、内容は多岐にわたっていて複雑なため整理してお伝えさせていただきます。この資料には冒頭、

以下は、事業主の皆様に政府としての方針を表明したものです。
施行にあたっては厚生労働省令の改正等が必要であり、現時点での予定となります。

とあるのですが、中にはすでに改正省令が出て内容が確定しているものもあります。まずはこちらからご紹介します。

飲食店等についての助成率引上げ

この点についてはすでに小欄下記記事でも取り上げておりますが、

・令和3年1月8日付 「緊急事態宣言に伴う雇用調整助成金の特例措置」

緊急事態宣言と同時に厚生労働省から措置される予定であることが公表されていたものです。こちらはすでに、官報でもその改正内容が公布されており、

・令和3年1月21日付官報 「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令

下記リーフレットにその内容がまとめられています。

・厚生労働省 「雇用調整助成金の特例措置に係る大企業の助成率の引き上げのお知らせ」

緊急事態宣言の対象地域の知事の要請を受けて、営業時間の短縮等に協力する飲食店や劇場、映画館等を運営する大企業を対象に、その助成率を最大100%に引き上げるというものですが、要請等に全面的に協力していることなど厳格な要件があるようですので、詳しくは下記Q&Aをご参照ください。

・厚生労働省 「雇用調整助成金FAQ (09) 緊急事態宣言対応特例」

とくに業況が厳しい大企業への雇用調整助成金等の助成率引上げ

一方、今回新たに明らかになったのが下記の点です。

生産指標(売上等)が前年又は前々年同期と比べ、最近3か月の月平均値で30%以上減少した全国の大企業に関して、当該宣言が全国で解除された月の翌月末まで、雇用調整助成金等の助成率を以下のとおり最大10/10とする予定です。

とされ、これ以上の詳細は明らかとなっておらず、省令改正などを待つ必要がありますが、飲食業などの業種は問わないという内容のようです。

特例措置の延長

今のところ2月末までとされている現行の新型コロナウィルス特例措置の延長について、数日前から報道がされていましたが、

緊急事態宣言が全国で解除された月の翌月末まで(※1)現行措置を延長する予定です。
※1 緊急事態宣言が2月7日に解除された場合、3月末まで。

という方針が示されました。
しかし内容的には、予定どおり解除された場合1ヶ月しか延長されず、特例措置は終わってしまうのかと一瞬思ってしまいます。

現行の特例措置が終了した後の特例措置の内容

しかしそうではなく、下記資料にありますとおり、一律の特例措置は終わるものの、条件によってその後も続いていくものや段階的に縮小していくものが想定されているようです。

・厚生労働省 「別紙 <緊急事態宣言が全国で解除された月の翌々月から2か月間の措置として想定する具体的内容>」

助成率や日額の上限額について、下記のとおり縮小が模索される一方で、

・雇用調整助成金等の1人1日あたりの助成額の上限:13,500 円(現行 15,000円)
・事業主が解雇等を行わず、雇用を維持した場合の中小企業の助成率:9/10(現行 10/10)

下記のような地域・企業については、現行の措置を維持することが想定されているようです(大企業・中小企業の明記はなし)。

○感染が拡大している地域(※1)・特に業況が厳しい企業(※2)の雇用維持を支援するため、特例を措置(上限額 15,000 円、助成率最大 10/10)。
※1 内容は追って公表予定
※2 生産指標(売上等)が前年又は前々年の同期と比べ、最近3か月の月平均値で 30%以上減少した全国の事業所

下の方にひっそりと「別紙」としたうえで「想定する具体的内容」という微妙な言い回しをしていますので、このままの内容になるとは思えませんが、現行の特例措置が終わるとすべてが原則に戻るというわけではなさそうです。


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