雇用調整助成金の協力要請期間特例

2020年5月4日 | から管理者 | ファイル: 雇用保険法.
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4月下旬から報道でも大きく取り上げられていました雇用調整助成金の更なる特例ですが、令和2(2020)年5月1日付にて改正内容が公表されました。

・令和2年5月1日付官報 「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令」

・厚生労働省 「雇用調整助成金の特例措置を実施します」

「協力要請期間特例」の内容は下記のとおりです。

○特例① 都道府県知事からの休業要請を受ける業種でその他の要件を満たす中小企業…100%の休業手当を支払っている場合の助成率を100%とする。

○特例② ①以外で一定の要件を満たす中小企業…60%を超える休業手当を支給する場合、60%を超える部分の助成率を100%とする。

この他、雇用調整助成金支給要領にもいくつか改正が行われています。

雇用調整助成金支給要領(令和2年5月1日現在版)

このうち実務に影響のありそうな部分を取り上げます。

新型コロナウイルス感染症に伴う特例期間においては、労働者の雇用の安定を図るために必要なものとして労使協定により実施されるものであれば、①から③の例のように、部署・部門や、職種、所掌、担当、職制、勤務体制、シフトなどに基づく短時間休業も、一度に休業させる人数に関わらず、柔軟に助成対象として取り扱うこととする。ただし、無規定に行われるもの(ここの労働者の遅刻や早退を休業扱いとする場合など)については、本特例においても短時間休業とはならない。
① 部門ごとの短時間休業を可能とする
(例:客数の落ち込んだ店舗のみの短時間休業、製造ラインごとの短時間休業)
② 常時配置が必要な者やコアメンバーを除いて短時間休業を可能とする
(例:ホテルの施設管理者等を除いた短時間休業、パート労働者のみ短時間休業)
③ 同じ職制や、勤務シフトの労働者が同じ時間帯に行う短時間休業を可能とする
(例:8 時間 3 交代制を 6 時間 4 交代制にして 2 時間分を短時間休業と扱う)

これまで、部署・部門ごとや、職種・仕事の種類によるまとまりなど一定のまとまりで行われる休業について対象として認めるとされていましたが、さらに柔軟化が行われました。

コロナウィルス感染症の感染者が万が一出た場合に備え、同じ部署・部門や職種の中で交替制の勤務が行われている場合も多いかと思いますが、このようなケースもあらかじめ労使協定にきちんとに定めることにより、対象とされるということが明確になりました。

なお、報道によれば、今回の特例には盛り込まれなかった1日8,330円の上限額を引き上げる検討も行われているとのことですので、さらなる特例措置が引き続いて行われていくものと思われます。

施行日

令和2年5月1日の施行ですが、令和2年4月8日以降の休業に遡及して適用されます。


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