新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)(令和2年4月17日版)

2020年4月20日 | から管理者 | ファイル: 労働基準法, 労働安全衛生法.
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「新型コロナウイルス感染症に関するQ&A(企業の方向け)」を定点観測し、変更された内容をお伝えさせていただいております。

・厚生労働省 「新型コロナウイルス感染症に関するQ&A(企業の方向け)」

今回は、令和2年4月14日時点版との相違点ついてです。

質問項目の増減や統廃合など

「10-問3」「10-問4」「10-問5」3つの設問が加わりました。この影響で旧「10-問3」が「10-問6」になっています。

今回新たに加えられた3つの設問は、4月14日付で出された関係事業者団体宛の雇用維持に関する要請の内容が反映されているもようです。

・厚生労働省 「新型コロナウイルス感染症に係る雇用維持等に対する配慮について、関係大臣と連名で関係事業者団体に要請します」

・「10-問3」<労働者の解雇、雇⽌めについて>

下記のような設問です。

問3 今般の新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、労働者の雇⽤調整を検討していますが、どのようなことに注意すべきですか。

回答は、雇用調整助成金を利用することにより、雇用継続のための努力、検討をお願いしたいという内容ですが、この中で下記のような説明がなされています。

なお、助成額は、前年度に雇⽤していた全ての雇⽤保険被保険者の賃⾦総額(歩合制賃⾦も含む)を基に算定するため、直近の賃⾦額の減少は助成額に影響しにくい仕組みです。

ちょっとすぐには理解しがたい内容になっているかもしれません。休業手当を支払って従業員を休業させることとなったとき、雇用調整助成金を受ける際には、それぞれの従業員に実際に支払った休業手当の90%が助成金として受けられると思う方が多いかもしれません。
実際はそうではなくて、「前年度に雇⽤していた全ての雇⽤保険被保険者の賃⾦総額」(=労働保険料の年度更新をする際に申告した額)をベースに助成金額が算出されるため、直近での賃金額が減少している場合でも目減りせずに、通常の事業活動がされていた時期の賃金水準が維持されるという説明がなされているということです。
一方で、ここには明記はありませんが、1人1日当たりの上限額(8,330円)があることにも留意が必要です。

・「10-問4」「10-問5」

特に今回の一連の新型コロナウィルス感染症による影響にあたってということではなく、退職勧奨・解雇・雇止めを行うにあたっての一般的な法的な考え方、留意事項が整理されたものです。
整理されたとは言っても、雇止めに関する記載が「問4」と「問5」に混在して記載されるなど混乱も見受けられますので留意が必要です。

これまでこのQ&Aはカテゴリー4「労働者を休ませる場合の措置(休業⼿当、特別休暇など)」が17問にも及んでおり、ここがまさに中心的な部分でしたが、雇用を維持できずに整理解雇といった手段を取らざるを得ない事態が広がってきているという状況を受けた設問が加わることになりました。
前回加わった「4-問12」もどちらかというと休業ではなく整理解雇についてのものですので、読む側が何度も同じものを読んだりする必要がないように、全体の整理が必要になっているように感じられます。

問いと答の内容について

一部リンクの修正などが行われましたが、既存のQ&Aの内容に変更はありませんでした。

令和2年4月14日時点版

変更点をより詳細に把握したい方は比較しながらご覧ください。

新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)(令和2年4月14日時点版)


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