新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)(令和2年3月18日版)

2020年3月18日 | から管理者 | ファイル: 労働基準法, 労働安全衛生法.
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「新型コロナウイルス感染症に関するQ&A(企業の方向け)」を定点観測し、変更された内容をお伝えさせていただいております。

・厚生労働省 「新型コロナウイルス感染症に関するQ&A(企業の方向け)」

今回は、令和2年3月11日PM時点版との相違点ついてです。3月17日時点版が一時期公開されていたようですが、何卒ご了承ください。

質問項目の増減や統廃合など

新たに「4-問6」が加えられました。このことにより、旧「4-問6」が「4-問7」となり、以降カテゴリー4の番号が一つずつ繰り下がっています。

新たに加えられた4-問6の内容は下記のとおりです。

問6 新型コロナウイルス感染症に関連して労働者を休業させ、休業手当の支払いが不要である場合について、労働者に対する賃金の支払いは不要でしょうか。

そもそも、事業主は、その雇用する労働者のうち、特に配慮を必要とする方について、その事情を考慮して対策を行う等して労働条件の改善に努めなければならないものであり、これは新型コロナウイルス感染症に関連して労働者に休んでいただく場合も同様です。
そのため、新型コロナウイルス感染症に関連して労働者を休業させ、労働基準法の休業手当の支払いが不要である場合についても、労使の話し合いのうえ、就業規則等により休業させたことに対する手当を支払うことを定めていただくことが望ましいものです。
なお、このような労使の話し合いによって、事業場で有給の特別休暇制度を設ける場合の手続については、問9「特別休暇の導入の手続」をご覧ください。
また、一般的には、現状において、新型コロナウイルス感染症の拡大防止が強く求められる中で、事業主が自主的に休業し、労働者を休業させる場合については、経済上の理由により事業の縮小を余儀なくされたものとして、雇用調整助成金の助成対象となり得ます。

なかなか難解な設問のように思えます。
休業手当の支払が不要ということは、すなわち、賃金の支払が不要ということなので、質問自体が若干不自然な雰囲気が漂っています。そういったこともあってか、回答はあくまでも「望ましい」あり方が記載されています。

一般的に休業手当の支払が不要であるとされる場合であっても、望ましいあり方を模索し、措置を講じた企業には、緊急対応策の一環としての助成制度が用意されている。すでに他のQ&Aでも語られているものですが、このことがより強調された設問と受け止めることができるでしょう。

問いと答の内容について

既存のQ&Aのうち、三つの内容に変更がありました。

・「2-問1」(テレワークについて)

下記文言が加わりました。

上記のフリーダイヤルがつながらない場合には、以下の番号でも受け付けます。(5月31日まで)
   TEL:03-5577-4724、03-5577-4734
   ただし、通信料は発信者負担になりますので、ご留意いただきますようお願いいたします。

フリーダイヤルに問い合わせが殺到しているようです。

・「4-問1」(休業させる場合の留意点)

下記文言が加わりました。

また、労働基準法においては、平均賃金の100分の60までを支払うことが義務付けられていますが、労働者がより安心して休暇を取得できる体制を整えていただくためには、就業規則等により各企業において、100分の60を超えて(例えば100分の100)を支払うことを定めていただくことが望ましいものです。この場合、支給要件に合致すれば、雇用調整助成金の支給対象になります。

新設された「4-問6」と同様の雰囲気が漂い、こちらも若干難解です。
今回、新型コロナウィルス感染症に関連して特例的な対応を取るケースはあると思いますが、恒久的な制度を前提として就業規則に100分の60を超えた数字を書くのはなかなか困難なのではないかという印象がします。

雇用調整助成金を受けるには「休業手当の支払いが労働基準法第26条の規定に違反していないこと」(=平均賃金の60/100以上であればよい)が支払いの要件であるのに対し、「小学校休業等対応助成金・支援金」や「時間外労働等改善助成金〔職場意識改善特例コース〕」(=病気休暇制度など恒久的な特別休暇制度の導入)を受けるための支払いの要件は、年次有給休暇とは別の有給、すなわち賃金全額支給である必要があるといった違いがあることに留意が必要です。

「4-問6」にも

特に配慮を必要とする方について、その事情を考慮して対策を行う等して労働条件の改善に努めなければならない

という表現がありますが、混同せずに分けて考える必要がある、ということになるでしょう。

・「4-問10」(小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援)

対象となる期間が「2/27~3/31の間に」と定められるとともに、「助成する予定です。」とされていたところ「助成します。」という表現に変わりました。
3月18日から、

・雇用者向けの「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金」と
・個人事業主向けの「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金」

の具体的な申請方法が公表され、申請受付が開始されたためです。

・厚生労働省 「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金・支援金の申請受付を開始します」

令和2年3月11日PM時点版

変更点をより詳細に把握したい方は比較しながらご覧ください。

新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)(令和2年3月11日PM時点版)


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