国民年金第1号被保険者の産前産後期間が保険料免除となる改正

2019年3月8日 | から管理者 | ファイル: 国民年金法.
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めずらしく国民年金の話題が続きますが、こちらは企業実務にはそれほど関係のない改正です。それほど関係ないと言いつつも、企業で働くパート・アルバイトで、厚生年金加入基準未満ぎりぎりで働く方や短時間でも時給の高い方などは、自営業者だけでなく国民年金第1号被保険者となりますので、業種・業態によってはそのような方々へのご案内が必要になるケースがあるでしょう。
もちろん手続は本人に行っていただくしかないのですが、個人レベルでこの改正があったことを知る由はなかなかないと思われ、知らないと払い続けて終わりということになってします。
母子手帳の交付申請に行ったら、こんな改正・制度があることも教えてくれるのが理想的ですが、そうは問屋が卸さないのが行政サービスです。

・日本年金機構 「平成31年4月から国民年金保険料の産前産後期間の免除制度が始まります」

出産前に申請を行う場合

出産前に申請を行う場合は、出産予定日をベースに免除期間が決まります。出産予定日の属する月の前月から翌々月までの4か月間、保険料が免除されることとなります。厚生年金の保険料免除と異なり、働いていないことは要件にはなく、もしこの間働いていても免除となります。なお、多胎妊娠の場合は「前月から」が「3月前から」となるため、計6か月間、保険料免除となります。

出産後に申請を行う場合

なかなか首尾よく出産前に申請を終えるケースも多くないと思われ、出産後にこういう制度があると気づいた場合でも申請をすることができます。このときは出産日をベースに免除期間が決まり、出産日の属する月の前月から翌々月までの4か月間、保険料が免除されることとなります。

施行日と経過措置

施行日は平成31(2019)年4月1日ですが、経過措置があります。

経過措置は、平成31年4月以降の期間が免除の対象になる、というものです。文章で表現するとイメージが湧きにくいため、表で整理してみます。

 保険料期間→
↓出産月
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月
1月 (納) (納) (納)
2月 (納) (納) (納)
3月 (納) (納)
4月 (納)
5月

※ 「(納)」は、新制度における産前産後期間となるが、施行日前のため免除の対象とならない月。結果的に納付が必要な月となる。

申請が開始されるのが平成31年4月以降になるため、2月・3月の出産は出産日ベースのみで判断されることとなります。2月出産は4月の1ヶ月のみ、3月出産は4月・5月の2か月のみが免除の対象です。4月出産から出産前の申請も可能となりますが、施行日前は対象とならないため最大3ヶ月が対象となり、5月出産(または出産予定)から4か月の免除の対象となります。

特殊なケース

さらに詳しい運用などをお知りになりたい方は、下記通知をご参照ください。

・平成30年12月6日 年管管発1206第1号 「国民年金第1号被保険者の産前産後期間の保険料免除制度の施行に伴う事務の取扱いについて」

出産前に、出産予定日ベースで申請をした場合、出産後に出産日をベースに申請をし直す必要は基本的にはないのですが、した方がおトクになるようなケースがあるようです。ご興味のある方は別紙2の例2などをご覧になってみてください。

【この記事の改正データベース(法改部)はこちら

 


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