平成30(2018)年7月10日に行われた第143回労働政策審議会労働条件分科会において、改正労働基準法の省令や指針の具体的内容に関する検討が開始されたことは、小欄下記記事でも取り上げさせていただいたとおりです。
・平成30年7月18日付 「働き方改革法の詳細に関する議論が開始」
パブリックコメント、出る
その後、7月18日に行われた第144回労働政策審議会労働条件分科会を経て、これらの内容についての意見を募集するパブリックコメントが7月23日に公示されています。
・パブリックコメント 「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令案等に係る意見募集について」
その内容としては、検討会の資料で示されている項目がそのまま掲載されているものがほとんどですが、第143回検討会で示されていた「高度プロフェッショナル制度」に関する事項については除かれています。
施行が来年4月に迫っている部分も多いため、議論が残っている「高度プロフェッショナル制度」を除いた部分を先行させ、資料によれば、9月上旬には公布したいという意向があるようです。
じりじりと話題に「労働時間の把握義務」
今日は、この中で労働安全衛生法の改正となりますが、「労働時間の把握義務」について取り上げさせていただきます。その内容や背景については小欄下記記事をご参照いただきたいのですが、
・平成30年3月18日付 「労働時間を把握する義務」
この度、その具体的な方法(=どのように労働時間を把握すべきか)が省令案に示されていて(パブリックコメント「概要」 3ページの中ほどあたり)、そこには下記のように書かれています。
〇新安衛法第66条の8の3の厚生労働省令で定める方法は、タイムカード及びパーソナルコンピュータ等の電子計算機による記録等の客観的な方法その他の適切な方法とすること。また、事業者はこれらの方法により把握した労働時間の状況の記録を作成し、3年間保存するための必要な措置を講じなければならないこととすること。
「パーソナルコンピュータ等の電子計算機」とは多分、いわゆる「勤怠管理システム」のことを指していると思われ、「その他適切な方法」については、今後「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を参考に、通達において明確化される方向であることが上記検討会資料にも示されているところです。
なお、上記パブリックコメントの意見の受付締切日は、8月21日となっています。
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