健康保険のオンライン資格確認

2018年5月28日 | から管理者 | ファイル: 健康保険法.
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退職者の保険証をいかに回収するか、という問題に悩んでいらっしゃる方は多いかと思います。
退職後、被保険者資格を喪失しているにもかかわらず受診をしてしまった際、資格喪失後の無資格受診ということで、医療費の返還請求等の事務に膨大なコストがかかっています。

平成30(2018)年5月25日に行われた第112回社会保障審議会医療保険部会では、これらの問題を解決すべく、オンラインによる資格確認(=被保険者資格の確認)を導入することについての議論が行われました。
本件は、以前から報道などでしばしば取り上げられており、マイナンバーが導入された当初は、マイナンバーカードが保険証と一元化するという方向性も取りざたされていました。
しかし、部会資料「オンライン資格確認等について」を読みますと、保険証がなくなってマイナンバーカードにその機能を持たせるということではなく、マイナンバーとは別の新たな番号が振られ、その番号をその人個人の生涯共通の番号とするという方向性であるようです(年金制度における「基礎年金番号」ですね)。

企業にとっては、これではあまり事務が効率化されないのでは、と感じてしまいますが、少なくとも保険者と医療機関の事務コストが軽減されることは間違いありません。
また、医療情報には、上記のようないわゆる「資格情報」の他に、健診結果情報や薬剤情報も含まれてくるため、これらを含めてマイナンバーという一つの番号に集約するのではなく、マイナンバーのインフラを活用しつつ、マイナンバーとは別の番号で管理するという整理にせざるを得ないという方向性になったようです。

導入時期は「2020年度に本格運用の開始予定」との記載がありますが、もし2020年度当初からということであればすでに2年を切っており、システム構築を含めると検討というよりは決定して実際の準備に取りかからないと間に合わない時期に差し掛かっているように感じます。

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